House S for a family

のどかな住宅街の中に建つ、3人家族のための住宅である。

1辺7.8mの立方体のなかに、井桁状に組まれた45mm厚の集成材が3層積まれることによって構成されている。3層の立体的な井桁状の格子はそれぞれの層によってずれながら交点をもって積層されている。そのずれた隙間やそれぞれの開口によってやわらかく適度に分節されながらも一体的な大きなワンルームの空間となっている。

柱・梁・壁というような構造主体の存在が、井桁状の格子の45mmという統一された厚さによって、腰壁や垂れ壁といったような仕切壁のようなものとして全体に溶け込み、そのヒエラルキーを等価に扱いながら軽やかに全体を構成している。そしてその立体的な格子のなかに必要な場所に適宜、水平な床をはめ込んでいる。空間はその立体的な格子によって分節され、いる場所によって大きくつながったり、小さく閉じられている。

最下のキッチンから最上のテラスまで垂直につながったり、ぐるぐると子供が駈けまわって水平につながったり、家族の生活が多様な光と風とともにまさに立体的に展開していくような、そんな豊かな空間が広がる立方体の住宅である。

Client/ a family
Location/ Misato city, Saitama
Site area/ 102.41sqm
Built area/ 102.16sqm
Completion date/ Feb 2014
Structure/ Wood flame, 2 story
Structure engineer/ Hidetaka Nakahara
Contractor/ Horohasi Komuten
Photographer/ Fumihiko Ikemoto
Staff/ Sota Matsuura

クライアント/ 夫婦+子ども
場所/ 埼玉県三郷市
敷地面積/ 102.41㎡
延床面積/ 102.16㎡
完成時期/ 2014.02
構造規模/ 木造2階建て
構造設計/ 中原英隆
施工会社/ 広橋工務店
撮影/ 池本史彦
担当/ 松浦壮太