線引きと空間属性

RC躯体工事の後から外壁の鉄骨下地工事~サッシ工事~外装パネル工事~内装工事~塗装仕上げ工事と工程を重ねていくことで外壁をつくっていきます。

この工程が、外部と室内の居住領域との線引き作業になっています。

現場を訪れるたび、その線引き作業により単純に内外が分かれていく以上に空間属性の変化について考えさせられることが多かったように思います。(隣地の建物の距離に対してあまりに開放的な場所を体感したことがなかったからかもしれません:狭小地における一般的な建物は隣の建物に対して壁をつくることが多いため)

 

 

型枠がばれてようやく2Fを歩けるようになった頃は、敷地内の建物ではありながらも、まちとの距離やスケール感によるものなのか、このまちの中の一部に属しているどこかを歩いている感覚に近く、それに同調しているような気配さえ感じていました。

 

 

自然に考えてみれば、壁がなければ外部空間であり、まちの中というとざっくりですが、隣地建物とのすきまの一部→建物と建物あいだ≒まちの空間→駅から現場までの体験(ほぼこの間しか行き来してない)といところまでが絞られていくように思います。

 

 

この空間体験が損なわれないように線引きを行っていくことで、居住域での生活体験がどう展開していくのか考えさせられると同時に、ただ人が生活するためのハコを並べ積み重ねていく行為とは大きく異なっていると感じています。