ビス1本まで

こんにちは、増田です。

更新を怠っているうちに梅雨入りとなりました。
現場にとっては雨は厄介者ですが、晴れ間を縫って今日も様々なプロジェクトが動いております。

さて先日、長らく設計を進めてきました北鎌倉の住宅が上棟しました。
まだ柱と梁と筋交があるのみですが、少しづつ空間のコンセプトのようなものが表れ始めています。

現場で建築が立ち上がっていく過程を隅々まで見ると、
PCや紙の上で設計をしている時とはまた違った解像度で建築の姿が見えてきます。

IMG_2417

設計中は、建物自体や、その中にある部屋であったり壁であったり、家具や開口部など、
ある程度大きなスケールで意味や理由を考えていますが、
現場に入ると、まさに板1枚のスケールで物事の意味が見えてきます。

基礎の厚さ、土台の位置、合板の仕様、ビスの間隔、建築を構成するあらゆる要素に
それぞれの役割があり、それが積み重なって建築ができているのだなあと改めて感じました。
微視的な視点と巨視的な視点が、現場を見ている間に少しづつ繋がったような気がします。

建築が完成するまでの過程は、設計者はもちろん知っていなければなりませんが、
その建築で住まう人にこそ、経験してもらいたい事でもあります。

どこにどんな物が使われているのかという瑕疵的な安心感もありますが、
建築の隅々までが自分の生活に寄与している事に気付けると、
もっと細かいところまで建築を愛せるのではないでしょうか。

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